Take it easy.

SIerの話を中心に気になったこと等書いていくつもり。

シノアリスの運営が抱える問題とプレイした感想とか

ノアリス(SINoALICE)ってスマホゲーが6/6にリリースされた。

このゲームのシナリオライターはニーアオートマタ(※)のシナリオを手掛けたヨコオタロウ氏が手掛けたということもあり、
事前登録者数50万、リリース後3日(だったっけな)のDL数120万とかいうなかなかの数字を叩き出し、

この数字だけ見れば大ヒットした・・かのように見えた。


※このご時世に据え置きハードであるPS4タイトルのソフトながら150万本を売り上げたゲーム。
 シナリオだけの力ではないにせよシナリオがクソならクソゲー認定されてたろうに。。すごい。



怒涛のメンテ


まずメンテ時間が半端なかった。
6/6にリリースこそしたが相次ぐ通信障害によりほとんどメンテ。

まともにプレイできる(という表現は正しくないかもしれないけど)ようになったのは6/11か12頃からという・・・

もともと4月リリース予定のはずが予想外の事前登録者数の伸びによる対応を行うとのことで、
そのためにリリースを6月まで延期してよしこれで大丈夫だとか思っていた矢先だったのでこれは誰もが予想外だったのでは。

blog.esuteru.com


原因は未曽有の同時接続者数


相次ぐメンテに陥った原因の直接的な原因は「未曽有の同時接続者数により」とのこと(公式Twitterより)
20万とか告知出てた気がする。

20万同時接続・・(ちなみにFF14は多くて12万とかそのくらいらしい)


業務システムだとユーザ数が数百~いって1万とかそんなもんだし、ピーク時接続者数で万行くことは多くないんだけど、20万てすごいなスマホアプリやべぇというのがSIer勤務の僕の感想です。

いやそれ基盤構成とか負荷分散とかバックアップの仕組みとかトランザクションの処理とかどういう設計してんだろ予想もつかない。

という具合に同時接続者数が多いというのは設計以後かなりのインパクトを与えるリスクになる。

アイテム課金制の同ゲームにおいて、どれだけ投資回収を見込めるか分からない中で人員配置して開発を進めるってだけでもそれなりにリスキーなのに、
同時にこんなリスクから逃げられなかった(というか途中で顕在化してきたんだろうけど)ポケラボは気の毒にも思える。



根本的な原因


で、そもそもこの問題ってなんで起きたんだっけって思った。

そりゃ「未曽有の接続者数」のせいなんだろうけど、これ事前に検知できなかったのか?と。


でもある程度はしてるんですよ。1度はリリース日を4月から6/6にまで延期してるんだから。
恐らく、内部では

これ事前登録このペースで行くと事前に見積もってたピーク時接続者数(とかピーク時のサーバメモリ使用量とか諸々含め)だと確実にパンクするわやべぇ!

・・・的な認識はあったはず。

で、この対応を行う4~6月にも事前登録者数ってのは増え続けていたと思うんだけど、それも盛り込んで検証はしてたはず。

多分過去リリースしたゲームの実績とかそういうのが元ネタなのかなと。


でもいざリリースしたらパンクしてメンテの繰り返しになった。

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↑公式の告知。


前提置いていろいろやってきたけど、その前提とはかけ離れた結果になってるわけなので
「想定を超えた」って一言に尽きるのかもね。


だから根本原因は

  • 想定値の見積に甘いところがあったのでは
    • 特にヨコオタロウ人気の見積から来るゲームへの期待値

ってところか。


そりゃさすがにピーク時のFF14を超える接続者数上回るとか普通思わんだろと。
今回スクエニからポケラボへ開発と運用を委託されてたんだと思うけど、委託元のスクエニも想定外だったんじゃないかなと。


ピーク時に全ユーザが快適に遊べる程の対応なんか普通しない

で、これ。サーバ置くのもゲーム開発するのも全ては投資。
開発にかかった費用は早期に回収したいので開発側(というかビジネスやる側)からしたら最低限の投資で最大限の投資を上げたい。

なのではなからピーク時に合わせた設計なんかしないわけですよ。

そりゃ要件として「同時接続者数〇万人までなら、ネットワークの予期せぬ切断等がアプリ起因で行われない」程度のものは謳っていただろうけど、
せいぜい

  • サービスが停止しない とか
  • 収入源たる課金システムに影響を及ぼさない とか

収入に直結しそうなところを優先的に守る。


だから今回も事前登録者数が想定以上だった原因を掴めないままに想定の最大ピークに合わせた投資(サーバ増強等)をするという判断はできないので、
最低限の投資(それでも1ヵ月ちょいかかった)で対応して一旦リリースしてみよう!考えてることが杞憂に終わるかもしれないし。

→残念な結果に

って話かなと。

ホントなんでこんなに伸びたんだろうね?



とはいえユーザの期待を裏切る結果にはなってしまったのが問題


まぁシステム開発とかゲームの開発について事情を知っているユーザであればそういう理解もあるかもしれないが、大多数のスマホゲーユーザーにそんなものはない。
(仕方ないという気持ちは大いにわかるけど理解してもらうのは現実問題として難しいし)


直感的に

「えー今日からプレイできるって聞いてたのに無理とかありえん」

「全然接続できないし接続できてもすぐ落とされる」

とかいう感想だけ抱かれる。

ノアリス=メンテ みたいに直感的に思われてる感がある。っていうか俺が思ってる。

事前登録者数も多いしリリース日も延期して待たせていたユーザも多い中でこの期待値の落差は超痛い。
っていうか誰も得してない分本当にきつい。


まず「ゲームをプレイする」っていう基本要件のところでユーザに疑問を抱かせたので。



さらに、今後通信環境が安定してきてゲームをプレイするユーザが増えてくると、

ノアリスというゲーム自体のシステムや面白さ自体に視点が当たるようになる。

これも地味にきついポイント。


事前登録したユーザからは

え・・なんか事前登録してまでやる程でもなかったかも(課金しない)

と思われ

とりあえずヨコオタロウ氏のシナリオ見たい一心でDLしたユーザからは

いや全然シナリオ見れねぇし話がよく分からん・・(課金しない)

という感想を抱かれる。


要はゲームプレイ前に意図せずにハードルが上がりすぎてしまったってこと。
(相次ぐメンテでさらにハードルを上げてる節もある。未曽有の接続者数を誇ったシノアリスってどんなのだろうとか思うし)

一見さんでDLしたユーザ(とか自分とか)ははなから課金しないのであまり関係ないけど、
事前登録までしてプレイにこぎつけた熱の高いユーザをいかに今後離さずに抱え込んでいくかってのはシノアリスの課題になるのかなぁと思いました。