Take it easy.

えすあいあー



100km歩いた時の話

100km歩いたことがある。


しかも2回。

いや嘘ついた。1回目は90kmくらいだった。


なんかお遍路さんとかやってる人見てると過去の思い出がよみがえってきて、あぁお遍路ほどじゃないけどよくやったなぁオレとか勝手に自己満足に浸れる程度には達成感があった。

でもよくよく考えると、マラソン完走した人はそれなりにいそうだけど100km歩くとかやろうとしたことある人自体少ないのではないかと思った。

だから書く。参考にはならないと思う。


動機


若さゆえのノリ。
1回目当時僕は18歳だった。2回目は20歳だった。

主催者も学生で参加者もほとんど100%学生というなかなかなノリだったのも参加したくなった動機かも。
あと仲のいい友達が何人か出てたり、何故だか分からないけど体を酷使するイベントに参加したかった気がする。

部活も陸上部(短距離だったけど)だったしね。。

ルール


単純明快で27時間以内くらいに100km歩き切ればいいってだけ。
休憩は自分で勝手に取る。

27時間!余裕じゃん!とか当時言ってるやついたけど、人間の歩くスピードが大体4~6km/hくらいだから、
4km/hのやつは間2時間程度しか休まず、歩き続ける必要がある。しかも道がずっと平坦ってわけではない。
もうこの時点でやばい。後半とか絶対ペース落ちるし全然余裕ない。

大体新宿~東京駅までが2時間ちょい歩く感じだからそれ6~7往復って考えたらダルさが少しだけ伝わるだろうか。


あと途中ベースキャンプ的な場所があって、弁当が補給されたり水分くれたり。
他に飲み食いしたければ財布持ってコンビニでも寄って勝手にどうぞって感じ。

あまりに歩くのが遅ければ車で強制回収される。


コース


山奥のダムを昼12時に出発して次の日の2時くらいまでにゴールにたどり着くって感じのコース。
飲み食いしたければコンビニで勝手にどうぞって言われたけどそもそも山奥でコンビニが全然ない。
かろうじて街灯と自販はあった。(MAPくれた)

・・が、山奥な分道は起伏が激しい。上り下りはんぱない。

しかも夜暗い。やばい。
懐中電灯の携帯を強制されるけど当たり前だと思った。

でもまぁ18~20の男数人で歩いてたらそんな陰鬱とした気持ちには・・・

なった。理由を後述します。


出発直後~夕方(出発して6時間まで)


季節は初夏。

天気もよくてみんな一斉に歩いてスタートするからはじめは周りの姿も見えてテンションも高かった。
(陸上部の長距離の先輩はしょっぱな走ってたけど僕は無視した)

仲いいやつと固まって話したりしりとりしたり調子乗って途中走ったり、
人と車がほとんどいない道だから解放感も半端なく、実にいい気持ちで歩いていた気がする。

2~3時間程度歩いたら10分休憩する感じで川で足冷やしたりして、このあたりは本当にピクニック気分で楽しかったのが印象に残ってる。

んでチェックポイントついて、お前らで〇〇人目だよとか言われて弁当食べてる時に異変に気付く。


休憩中


気づいたら日が落ちかかってて暗い。
あれ、さっき通ったトンネルから霊的なものを感じる・・って思った。

日照時間の短い国の国民は鬱病になりやすいとかいう話もあるけど、太陽の力って本当すごいって思った。

でもまだ日の落ち始め程度だし、夕飯食って100km歩くとかいうイベントに集団で参加してる高校生のエネルギーをなめたらいかん。

って思いながらここ今何km地点ですかって聞いたら

30km地点だよ

って言われた。再序盤で6時間で30kmって微妙じゃねとは誰も言わなかった。

誰が言うでもなく早く行こう的なオーラになってたからそう思ってたのは自分だけじゃないと思った。

真夜中(出発して18時間まで)


割とまだ元気はあった。
高速道路とか走ってたらある謎の側道の坂道とか、橋とかああいう道に出て逆にテンションが上がって走る程度には元気だった。

夜中12時くらいまではしりとりしたり喋りながら歩いてた気がする。


けど2時くらいになったら誰もしゃべってない。

しかも初期のドラクエのパーティーかってくらい縦列。

うつむいて何故か足並みだけ揃って歩いてるって謎。

喋ったと思ったら

「眠てぇ」

「疲れた」

「コーヒー休憩するか」


のどれか。
お前らしりとりはどこいったんだよ最後に喋ったの誰だよとか誰ももう突っ込んでさえくれない。


でもなんだかんだで出発して12時間で50kmいって、18時間(朝6時)には70kmとかそのへんまでいってた。

ちなみに1回目参加した時は気づいたら序盤一緒に歩いてたやつがいなくなってた。(後ろのほうまで脱落してた)、
70kmあたりまできたらほとんどどの集団も1~2人程度で自分のペースで歩いてた。

人間疲れが極限に達すると人を気遣う余裕もなくなるってマジなんだと思った。


そしてゴール


明け方休んでたら体が勝手に寝てしまうし、ペース的にも厳しかったので走ってた気がする。
80km地点あたりから1時間くらい走って歩いてちょっと走ってを繰り返してたら道に迷った。

しかも最後らへんほとんど山道できっつい勾配の上りばっかで何このクソコース死ねよとか言ってた気がする。
(疲れてイライラもしてた)


まーでもクソクソいってたらゴールが見えてきた・・・ってくらいしか最後あたりは覚えてない。

・眠い
・体きつい
・ゴールどこ
くらい。


ゴール後


全身筋肉痛で翌日はほとんど歩けなかった。
100m11秒ちょっとで走る程度の運動能力はあったけど、1週間疲れが取れなかった。

あと体重が1日で2kgは減ってた。

やばい。


おわりに

つい数年前ハーフマラソンを2時間切る程度で走ったこともあって、
その時は本当きつかったけど、今思えばあれだけ長時間「きつい」という状態を我慢しながら行うことってそんなにないと思った。

まぁでも終始1人ならまだしもほぼ途中まで誰かと歩いてたから、本当にきついのは中盤以降だけだったかも。


こういうことやる人はほとんどいないと思うけど何かの参考になれば幸いです。